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弁護士に聞く!よくあるトラブルと対処法②〜民泊物件.com

2016/11/09 Airbnb大家の会

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こんにちは。民泊物件.com運営局です。

前回よりミンブツコラム「弁護士に聞く!シリーズ」を連載しております。本日は第2回として、民泊運営においてよくあるトラブルと対処法②−行政編−をお伝えいたします。

教えてくださるのは弁護士・石原一樹先生です。最近は民泊トラブルの相談がとても増えているようですので、プロから正確な知識を学んでいきましょう。

 

弁護士に聞く!シリーズ

弁護士に聞く!シリーズは以下4回を予定しております。

第1回:民泊運営においてよくあるトラブルと対処法①−民間編−

第2回:民泊運営においてよくあるトラブルと対処法②−行政編−

第3回:合法民泊を運営するために

第4回:個人でもできる民泊ルール作りへの関与

 

今回は行政編ということで、

1.保健所

2.警察

3.国(厚生労働省)

ついてリスクと対処法を整理してみます。

 

■1.保健所

<トラブルとなりうるリスク>

保健所は、都道府県や政令指定都市に設置されている行政機関で、旅館業法を管轄しています。許可申請の窓口も保健所なので、許可を取得しているかどうかは管轄する保健所が管理しています。そのため、旅館業法に違反しているかどうかの第一次判断をすることが実務上多いようです。そして、民泊を運営していると、保健所から情報照会の書面が届くことがあります。旅館業法違反であれば違法行為なので、摘発されるリスクがあります。

 

<対処法>

保健所単体では強制調査や提出義務等を課すことができないため、捜査の端緒があると考えれば、警察に通報して強制捜査を依頼することが多いと思います。そうなる前に、保健所がどのような根拠(Airbnbのリスティングページ、近隣からの苦情、管理組合からの通報等)で、どのような判断(推測を含みます)をしているのか、ある程度コミュニケーションを図る必要があると考えます。一般的な注意喚起に過ぎないのか、違法であると認識されているのかによっても書面の内容も千差万別のようです。そして、その中で違法状態であるということであれば、その要因を排除できるのか否かを検討します。

厳しいようですが、保健所の解釈に対して争う手段は行政訴訟しかないこともあり、違法状態が解消できないということであれば運営中止をせざるを得ないかもしれません。 

 

■2.警察

<トラブルとなりうるリスク>

警察官が民泊を運営している物件に急行して、ゲストにヒアリングを行ったり、その場で(ゲスト経由で)ホストを呼び出してもらい、事情を確認するということもあります。最悪の場合、捜索差押令状や逮捕状を取得して強制的に操作に踏み切る場合があります。稀にニュースになっていると思いますが、それがこれにあたります。

令状なく任意で捜査をしている場合は応じる義務はありませんが、仮に捜査の端緒があり、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると捜査機関が判断した場合、逮捕・勾留されるリスクもあります。

 

<対処法>

保健所と同じような対処をせざるを得ないと思いますが、「民泊をやっています」ということが直ちに旅館業法違反に該当するか、というとそうではありません。旅館業法に定める「人を有償で宿泊させる行為を業として行うこと」という構成要件を全て満たすかどうかが問題です。警察、検察が有罪にする場合は、裁判官が上記構成要件を満たす、と判断できるだけの証拠を集めなくてはなりません。

また、ホストに残された手段として、最終的に有罪・無罪を判断するのは裁判官なので、裁判で争う余地はあります。

 

■3.国(厚生労働省)

<トラブルとなりうるリスク>

リスクというほどでもないかもしれませんが、旅館業法を執行する行政機関は厚労省であり、その厚労省が昭和61年に出した通達(簡単に言うと、行政機関の上から下に出す行政機関内部の法律の解釈であって、法律そのものではありません。)に従うと、貸室業との区別の基準としては、

①施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること

②宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないこと

以上の2つをもって旅館業に該当する、と解釈されています。これは一行政機関の解釈であり、法的拘束力はありませんが、保健所がこの解釈に従い運用している実態と、争う手段が行政訴訟または刑事訴訟しかない、という意味では事実上の拘束力はあるといえます。

 

<対処法>

厚労省に対して、現時点で通達を見直し、変更してほしい、という要望を出したところで門前払いされるだけなのですが、この解釈の元になる旅館業法の改正にや民泊新法の動きに関して、関係団体がロビイングをしていますので、そのような活動に参加する、ということが考えられます。または、裁判所に対して、上記通達による旅館業法の解釈が違法・無効であるとして争うことも考えられます。

昭和23年に旅館業法が制定されてからこれまで、旅館業法の解釈を直接争点として争われた裁判例が見当たらないことからすれば、裁判所がどのような判断をするかについては世間の関心を集め、改正議論に影響が出るかもしれません。

 

まとめ

保健所から通達があったり警察の捜査が入った場合でも、「民泊をやっています」ということが直ちに旅館業法違反に該当するかというとそうではありません。現状どこまで情報把握がされており、どういった認識を持たれているのか。それに対して実情はどうなのか。事実と状況を冷静に照らしあわせ対処をして参りましょう。

民泊物件.comでは皆さまがトラブルなくスムーズな運営をできるよう応援いたします。

 

教えてくれたのは・・・

弁護士・石原 一樹 先生

石原一樹弁護士

 

ヤフー株式会社で企業内弁護士として勤務後、外資系法律事務所を経て国内の法律事務所に所属。株式会社コラビットのジェネラルカウンセルにも就任し、法務観点からイノベーション事業のサポート、アドバイスをしている。その他、ITベンチャーやフリーランス向けにもリーガルサービスを提供している。

 

 

実際に相談をしたい場合、石原先生が運営する民泊ホストのための法律相談サービスをご利用ください。

それでは石原先生、第3回も宜しくお願いいたします。

 

編集部より:この記事は、民泊物件.com  様の9月14日投稿を転載させていただきました。

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