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弁護士に聞く!個人での民泊ルール作りへの関与〜民泊物件.com

2016/11/12 Airbnb大家の会

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こんにちは。民泊物件.com運営局です。

今回はミンブツコラム「弁護士に聞く!シリーズ」の最終回として、『個人でもできる民泊ルール作りへの関与』をお伝えいたします。

今まで、トラブル対処法と合法的に運営する方法を考えてみましたが、いかがでしたでしょうか?民泊がどのようなリスクを孕んでいるか、そして法律的にも一定のハードルがある、ということだけでもご理解いただけたのではないでしょうか。違法リスクを背負って民泊を続けることはあまりおすすめできませんが、法律がおかしい・理不尽だと思うなら変えてしまう、というのも選択肢としてはあります。ゲームのルールを変えてしまうのです。

教えてくださるのは弁護士・石原一樹先生です。最近は民泊トラブルの相談がとても増えているようですので、プロから正確な知識を学んでいきましょう。

 

弁護士に聞く!シリーズ

弁護士に聞く!シリーズは以下4回を予定しております。

第1回:民泊運営においてよくあるトラブルと対処法①−民間編−

第2回:民泊運営においてよくあるトラブルと対処法②−行政編−

第3回:合法民泊を運営するための基礎知識

第4回:個人でもできる民泊ルール作りへの関与

 

今回は個人でもできる民泊ルール作りへの関与として、

1.まずは情報発信

2.ロビイング活動団体への参加

3.法的なアクション

ついて整理していきます。

 

■1.まずは情報発信

多くの著名なホストの方々がされているように、フェイスブックやブログ等で積極的に情報発信していく姿勢は重要だと思います。民泊とはどのようなサービスなのか、どういった観点・ポリシーでサービスを提供しているのか、ゲストとの交流がホストにとっていかに素晴らしい体験をもたらしているのか等は、実際に運営されている方でないとなかなか理解が難しいと思います。

 

ニュースや報道では民泊のネガティブな側面が報道されることが多いような気がしていますが、こういったポジティブな側面をアピールするだけでも民泊の規制に関する議論が前向きに進む可能性は秘めていると考えています。

 

■2.ロビイング活動団体への参加

情報発信だけでは反響・実感を得られない、という場合は、同じような考え方をしている人たちが集まる団体や組織に積極的に参加するというのも良いと思います。民泊関係の一般社団法人もたくさんできつつあるので、どのような理念でどのような活動をしているのかをウォッチして、その中で共感できる団体・組織で一緒になって民泊のルールづくりへ関与することができると思います。

 

民泊と密接に関連する旅館業法に関しては、法律的な問題であるので、改正するにしても国会での審議・決議が必要です。2016年になって、厚労省主催の「民泊サービス」のあり方に関する検討会などで活発に議論されるようになりましたが、早くても2017年春の通常国会での制定を目指して動いていると思われます。そのため、公開の検討会や意見交換会に参加するなどして、官僚・有識者・政治家に働きかけていくのが近道でもあると思います。

 

また、もっと身近なところでいうと、京都市が民泊に関する条例を制定するにあたり、市民からパブリックコメントを募集したりしています。このようなところへ意見を提出するのも直接的なロビイングに該当すると思います。

 

■3.法的なアクション

上記の活動はあくまでも法律やルールを作る側への発信・アピールでして、既存の法律をどのように解釈するのか、については影響を与えることができません。特に旅館業法に関しては、典型的な通達行政で運用されており、最高裁判例はおろか、地裁レベルの裁判例すらほとんどない、という状況です。

 

このことが何を意味するのかというと、法律の解釈について最終的判断権限を有する裁判所の考え方、というものが反映されていない法律になっているということです。つまり、旅館業の①「有償で人を宿泊させる行為」と②宿泊の定義である「寝具を使用して施設を利用させること」、については(厚労省が出している通達はあるものの)裁判所の考える意味としては具体的に明らかにされていない、ということです。

 

このような通達行政で運用されている旅館業法について、例えば旅館業許可申請に対して不許可処分が出された場合に、当該「不許可処分の取消訴訟」を提起するだとか、そもそも民泊とは旅館業法の適用を受けないものである、という旨の主張について、「旅館業法の適用を受けないことの地位確認訴訟」を提起する、というのが考えられます。いずれもそれなりの費用と時間がかかるアクションではありますが、賛同者と一緒に進めていくことも可能であると考えています。定型化できるのであれば訴状の無料配布といったこともできれば、裁判所も巻き込んだより良い議論ができるようになるのではないかと思います。

 

まとめ

民泊のルールについては、新法待ちをするしかないと思っている方もおられると思います。中には法律に期待をせずにヤミ民泊を続けると決め込んでおられる方もいるかもしれません。しかし、個人でもそのルール作りに参加することができるのだ、ということをお伝えしたくこの記事を書いています。

 

新法も現在さまざまな情報収集や会議を通して各意見を吸い上げているところです。ホストの皆さまのナマの声は大切な情報となりますので、積極的な情報発信や一般社団法人への参加などを通して、少しでも民泊業界が健全に、そしてホストの方にとっても良い方向に拡大していくよう力をあわせて参りましょう。

 

「自分ひとりが動いても何も変わらない」と思うか、「自分ひとりでも」という方が集まれば大きな流れを作れると思うか、それは読者のみなさまのご判断におまかせいたします。後者の方は、是非アクションをしてみてください。

 

さて、これまで4回に渡り「弁護士に聞く!」シリーズをお伝えして参りました。法律まわりを中心に、基礎知識から旅館業法に適用されない運営方法など、大切なポイントを知っていただけたのではないでしょうか。 民泊事業を行うことの法的リスクをしっかり認識した上で、各アクションをとって参りましょう。

民泊物件.comでは皆さまがトラブルなくスムーズな運営をできるよう応援いたします。

 

また、

・もっと具体的に知りたい

・旅館業法の申請をしたい

・旅館業法に適用されない形を相談したい

などございましたら、今回の連載で法律指南をしてくださった石原先生に是非伺ってみてください。

 

教えてくれたのは・・・

弁護士・石原 一樹 先生

石原一樹弁護士

 

ヤフー株式会社で企業内弁護士として勤務後、外資系法律事務所を経て国内の法律事務所に所属。株式会社コラビットのジェネラルカウンセルにも就任し、法務観点からイノベーション事業のサポート、アドバイスをしている。その他、ITベンチャーやフリーランス向けにもリーガルサービスを提供している。

 

 

実際に相談をしたい場合、石原先生が運営する民泊ホストのための法律相談サービスをご利用ください。

石原先生、全4回ありがとうございました。

 

編集部より:この記事は、民泊物件.com  様の9月28日投稿を転載させていただきました。

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