独占インタビューで語った、日本での存在感を増すホームアウェイの日本戦略とは〜民泊専門メディア Airstair
2017/09/27 Airbnb大家の会
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HomeAway(ホームアウェイ)www.homeaway.jp は、テキサス州のオースティンに拠点を置くバケーションレンタルサイトで2016年に日本支社の設立を行うなど日本市場に注力している。すでに「世界190ヵ国以上で200万件以上のユニークな物件がホームアウェイに掲載されている」(木村氏)という。
2016年4月には広域連携DMOである「せとうちDMO」の事業支援を行う株式会社瀬戸内ブランドコーポレーションと業務提携を行ったほか、6月には楽天 LIFULL STAY 株式会社との業務提携を発表するなど日に日にその存在感を増している。
意外と古いバケーションレンタルの歴史
バケーションレンタルとはオーナーが部屋や物件を使用しない期間、旅行者などの第三者に短期間貸し出すサービスのこと。欧米では長期休暇に別荘を貸し出したり、滞在頻度が減った家を旅行者などに貸し出すのが一般的だ。
昨今、日本でも個人宅の空き部屋に旅行者を泊める民泊やバケーションレンタルが広がりを見せているが、バケーションレンタルの歴史は意外と古く1950年代に遡る。
「当時は新聞でバケーションレンタルの紹介がされていた」といい、その後、ホームアウェイの全身となるVRBOがバケーションレンタルサイトをリリース。「2005年にホームアウェイは別荘を中心とした一棟丸ごと貸し出すサイトをリリースした」(木村氏)という。
バケーションレンタルは60年以上の歴史を持つほど米国で浸透しており、その市場規模は約4兆円、世界全体では約11兆円規模と推定される。米国の旅行者に関していうと「すでに3割以上がバケーションレンタルを利用した経験があり、宿泊市場全体では約17%のシェアをしめ、そのうち40%がオンライン経由」(木村氏)であるという。
ホームアウェイの特徴とは?
ホームアウェイは、世界23言語、50サイトを展開しており取扱高約1兆6千億円を越え月間4,000万人以上が利用する世界最大級のバケーションレンタルサイト。2015年12月に米オンライン旅行サイト大手のエクスペディアグループ傘下のブランドの一つとなった。
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ホームアウェイは一軒家や別荘、古民家やロッジ、ヴィラなどの丸ごと貸切物件にフォーカスしているのが特徴。地方やリゾート地に強く、一緒に旅をする仲間や家族との大切な時間を過ごすのに適した宿泊予約サービスを展開している。
Airbnbとの違いとは
若年層で少人数の旅行者に利用される傾向があるAirbnbとは異なり、ホームアウェイを利用するゲストは35〜54歳の中年層が中心で、グループ旅行や家族旅行で利用される傾向が強い。
予約1件あたりの宿泊客の人数データでは3人以上のグループ旅行の割合が全体の4割のAirbnbに対して、ホームアウェイでは7割を超える。また別荘や一棟貸しなどが多く掲載されていることから予約単価や予約日数はAirbnb(平均$584USD・4日間)よりもホームアウェイ(平均$1032USD・6日間)のほうが高い。
(データ提供元: Phocuswright’s A Market Transformed: Private Accommodation in the U.S. )
ワンプラットフォームで集客力アップへ
ホームアウェイは、もともとは別荘を中心とした一棟貸しで2005年にサービスをスタート。その後、VRBO、Travelmob、Stayz Australiaなどの複数の民泊プラットフォームを買収しながら成長してきた。ホームアウェイの日本サイトは2018年にグローパルプラットフォームへの移行が完了する予定。
グローバルプラットフォームへの移行が完了すると、ホームアウェイの日本サイトに掲載されているすべての物件がグローバルのプラットフォームに移行され、旅行者がこれまでよりもシームレスに宿泊先を探せるようになる。「プラットフォームの移行によりこれまでよりも宿泊予約が増える効果を期待できる」と木村氏は語った。
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エクスペディアとのシナジーの可能性とは?
2015年12月に米オンライン旅行サイト大手のエクスペディアグループの傘下に入ったホームアウェイ。木村氏によると、エクスペディアは「インドを中心にエンジニアを増やすなどテクノロジー投資を強化しておりホームアウェイはその恩恵を受けることができる」(木村氏)という。
また、インターフェースの改善のためのABテストを何度も行うことをエクスペディア社内では「Test and learn」と呼びユーザー体験の改善に日々力を入れている。ホームアウェイも同様の施策を行うことでユーザー体験の向上にも力を入れるようだ。
ホームアウェイ、今後の日本戦略
ホームアウェイはグローバルで展開する世界最大級のバケーションレンタルサイトであるが、日本について「旅先として注目度が高く今後の成長戦略におけるトッププライオリティに位置付け」(木村氏)られているという。地方への送客やリピーター、グループ旅行に強みを持つホームアウェイは、ブランドの認知度アップに力を入れながら物件の仕入れを強化している。
「都市部だけではなく、地方の町屋、古民家も獲得していきたい」(木村氏)とその意気込みを語った。
急増する訪日外国人客と民泊市場の行方については、「訪日客の増加には円安やビザの発給緩和、LCC就航の増加が影響していることから今後もこの流れは続く」とみていると言い、「民泊市場についても大手企業が続々民泊事業へ参入を果たすことでさらに大きく伸びる」(木村氏)と語る。
広域連携DMOや楽天LIFULLとの事業提携を行うなど日本の民泊マーケットにおける存在感を増すホームアウェイから今後も目が離せない。
編集部より:この記事は、民泊専門メディア Airstair 様の2017/8/17の投稿を転載させていただきました。