なぜ「民泊」が広がったのか?を読み解くシンプルな理由vo.1〜Airstair
2016/07/03 Airbnb大家の会
最新の記事
-
トピックス
トラベルポート、IBMらと共同でホテル予約手数料を「ブロックチェーン」上で管理~Airstair
トラベルコマースプラットフォームのトラベルポート(Travelport)は、IBM、ビジネストラベル専門旅行会社のBCD Travelと連携し、ブロックチェーンを活用したホテル予約手数料の管理プラット... 2019/11/27 Airbnb大家の会 -
トピックス
Expedia傘下のHomeAway、予約前にホテル客室を確認できる360度バーチャルツアーの運用をバリでローンチ~Airstair
オンライン旅行サイト大手のExpedia GroupのバケーションレンタルサイトHomeAway(ホームアウェイ)は、宿泊予約を行う前にホテル客室内を360度確認できるバーチャルツアーの運用をバリでス... 2019/10/26 Airbnb大家の会 -
トピックス
ホテル予約サイト Amoma.com が破産申し立て ホテル宿泊予約が強制キャンセルなどの被害も~Airstair
スペインのニュースメディアPreferenteによると、スイスに拠点を置くホテル予約サイト「Amoma.com」は、9月13日に事業を停止し破産申し立てを行ったことがわかった。Amomaは、2013年に創業... 2019/10/25 Airbnb大家の会 -
トピックス
ホテルチェーン世界第2位のOYO Hotels & Homes、米国進出から3か月で100以上のホテルを展開~Airstair
ホテルチェーン世界世界2位の OYO Hotels & Homes(オヨ・ホテルズ&ホームズ)は、2019年6月のアメリカ進出からわずか3か月で同社が展開するホテル施設数がアメリカ国内だけで100を... 2019/10/24 Airbnb大家の会 -
トピックス
横浜市、統合型リゾート(IR)誘致を正式発表 「マリーナベイ・サンズ」のラスベガス・サンズも参入意欲~Airstair
横浜市は統合型リゾート(Integrated Resort以下IR)誘致に向けた構想を正式に発表し、今後2020年代後半の開業に向け、国の基本方針を受けた実施方針の策定やIR事業者決定といった本格的な検... 2019/10/23 Airbnb大家の会 -
トピックス
東横イン、10%消費増税後も販売価格への転嫁せず 「固定価格」のプライスポリシー貫く方針~Airstair
消費税が10%に引き上げられる2019年10月1日が迫る中、ビジネスホテルチェーン大手の東横インは、消費増税後も増税分を宿泊価格に上乗せする目的での料金改定は実施しない方針であることを明... 2019/10/22 Airbnb大家の会
個人宅の空き部屋に旅行者を泊める「民泊」が日本で急拡大している。民泊サイトとして世界最大のAirbnb(エアービーアンドビー)の時価総額は世界大手のホテルチェーンであるヒルトン(Hilton)やマリオット(Marriott)、スターウッド(Starwood)と肩を並べる規模だ。
日本国内でも民泊の物件数は2015年から急拡大をしており、2016年には3万件を突破。民泊の新制度についてはまだ未確定な要素が多い状態にもかかわらず、民泊は拡大を続けている。
法律や条例などが整備されていない中でもここまで民泊が増えた理由は意外とシンプルなところにある。
民泊急拡大の理由を読み解くキーワード
「民泊」が広がった理由を読み解くうえで鍵となるキーワードがある。それが「ロングテール(The long tail)」だ。ロングテールとは、インターネットを用いた物品販売の方法の一つで、1年間に1個しか売れないような販売機会の少ない商品でも商品数を幅広く取り揃えること、または対象顧客の総数を増やすことで、売上げを大きくすること。
米「ワイヤード」紙編集長のクリス・アンダーソン氏がWeb2.0時代のビジネスの象徴であったアマゾンやネットフリックスなどのネット企業のビジネスの成功例を説明するために、「ロングテール」という言葉を用いたのが始まりだ。
Airbnbの成功例をみていく前に、世界最大のECサイトとしてご存知のAmazonがなぜここまで広がったのかその理由をみていこう。
インターネットが普及する以前の世界での商品販売といえば、実際にお店を構えて商品を販売するというのが一般的だった。しかしこのような従来の商品販売形態では、売り場面積やバックヤード在庫などの物理的な制約により、売れ筋商品やヒット商品の取り扱いがメインとなっていた。
従来のビジネスモデルは、売上の8割は上位2割の顧客や商品からもたらされるという「パレートの法則」がベースになっていたのだ。
この従来のビジネスモデルを根底から覆したのがAmazonだ。Amazonは売れ筋商品だけを取り揃えるのではなく1年間に1個しか売れないような「死に筋商品」を取り揃え、それを実店舗ではなくオンライン店舗で販売。
インターネット販売により、売り場面積やバックヤード在庫などの物理的な制約から解放されたAmazonは「死に筋商品」を豊富に取り揃えることで、今のような成功を収めたのだ。
Airbnbが成功を収めた理由もAmazonのそれと似ていると言っても過言ではない。ヒルトン(Hilton)やマリオット(Marriott)、スターウッド(Starwood)などの従来の宿泊施設では、安心安定なサービスが提供される一方で画一的な宿泊体験にとどまる。
一方で、Airbnbではヨット、お城、ツリーハウス、トレーラーハウス、キャンピングカーなどに宿泊することもできる。また民泊ホストとの交流もあるとなればその宿泊体験の数は無限に広がる。多様な宿泊体験ができるのがAirbnbの魅力なのだ。
Airbnbは自身がホテル業を営むわけではなく部屋の貸し手と借り手をつなぐプラットフォーム作りにフォーカスしたことで、宿泊施設の種類を増やし従来の宿泊施設とは異なる民泊ならではの宿泊体験ニーズを顕在化させファンを増やしたのだ