民泊申請で必要なことすべて~トイレの数から必要書類まで~ 民泊実務集団Team NanatsuBa
2019/02/07 Airbnb大家の会
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民泊申請とひとことで言っても、そのくくりは特区民泊、民泊新法、旅館業法などがあります。今回はその中でも旅館・簡易宿所営業で許可取得を考える場合についてです。
まずは、大前提としまして旅館・簡易宿所営業許可というものは物件に対するものであるということが大切なポイントになります。許可自体は申請者としての法人や自然人に対して行われるのですが、許可に必要な内容というものは物件の設備基準がほとんどとなります。この物件は必要な設備を満たしているか、その点のみがポイントになります。
したがって、どんな物件でどんな設備を備えたらよいかという観点がほとんどです。
まず、許可を進めていくうえでの大まかな流れを抑えましょう。
大きな流れとしては、3本の流れがあると思っていただければ良いと思います。
保健所
民泊申請に対して許可証を発行するのが、保健所になります。民泊サイトに物件を掲載する際に必要な許可番号も、保健所が発行した許可証にある番号になります。したがって、申請先としては保健所となります。申請初期段階から最終検査まで、保健所にはお世話になる形です。
よって、3本の柱のうち真ん中の大きな柱が保健所での手続きになります。
建築
建築とは、建築基準法関連の手続きになります。旅館・簡易宿所許可を取得する場合、その建物の用途が、旅館業や簡易宿所になっていなければなりません。用途というのは、建築基準法上の建物用途のことです。
この用途を変更する手続きが用途変更確認申請という手続きになります。この申請は、建物の申請部分の延べ床面積が100㎡を超える場合に発生する手続きになります。したがって、100㎡未満であれば手続きは不要です。もっとも、その場合でも実質的には建物の用途が旅館業や簡易宿所になっていないといけませんので注意してください。
この手続きが2本目の柱です。
消防
消防での手続きは、消防工事の申請がメインになります。自動火災報知設備の設置、誘導灯の設置、避難器具の設置等、物件の規模によって備えるべき消防器具が異なってきますので、必ず防災業者と連携して進めるようにしましょう。管轄消防署に何度も足を運ぶことになりますので、施工をする防災業者がどの範囲まで手続きを行ってくれるかの確認も必要になります。
このように、民泊許可(旅館業・簡易宿所)では3箇所との手続きを同時進行で進めていきます。それぞれの課題をクリアできれば晴れて許可取得という流れになります。
どれくらいの期間をみておけばよいか
許可取得までにかかる期間は工事が終わり、最終検査が終了してから10日程度です。もちろんそれまでに申請をしておかなければなりません。
申請は平面図が固まって、必要書類が揃った時点で行なっておくのが一番良いかと思います。申請してすぐに最終検査ができるような小規模な案件であれば、1か月程度で許可取得は可能です。
ただ、3本の柱の手続きのうちもっとも時間がかかるのが消防手続きですので、消防手続きは早めの段階から見通しをつけておきましょう。基本的に消防署はどこも混んでいますので、協議の予約まで2週間待ちなんてことは普通にありますので注意してください。
では、具体的な要件をみてみましょう。保健所での手続きをメインでみていきますので、建築と消防手続きはここでは割愛します。
マンションでも大丈夫か
戸建てやビルテナントであれば許可取得にそもそもの問題があるということはありませんが、マンションの場合はちょっと話しが違ってきます。
マンションやアパートなど、居住者と宿泊者の導線が混じるような形の建物の場合、保健所が認めないケースが多くなってきています。条例改正などで、明確に居住者と宿泊者の導線を分けなければならないと記載している自治体もありますので、注意が必要です。
テナントビルであれば、居住者はいませんので問題ありません。あくまで、居住している方達との導線の混在というのがポイントになります。
その点が解決できれば、マンションだからNGということはありません。一棟マンションであればもちろん大丈夫です。
建物の広さはどれくらい必要か
旅館営業であれば、客室面積を7㎡以上(ベットの場合は9㎡以上)確保できれば、建物全体の面積に規制はありません。例えば、1客室9㎡+フロントのみという旅館営業も認められます。これに対して簡易宿所であれば収容定員10名未満の場合、1人あたり3.3㎡のスペース確保が必要です。10人以上であれば33㎡の客室面積が必要になります。
したがって、収容定員を考慮して最低面積を求めることが大切です。
用途地域を確認する
民泊許可を取得する場合、用途地域の確認はとても大切です。用途地域に関しては以前に書いた簡易宿所・旅館業を行う場合の用途地域規制の調査方法が詳しいので参照してください。
教育機関がないか確認する
施設から概ね、100m範囲内に教育機関(幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校・・)がある場合は手続きの中で、教育機関への照会手続きが必要になります。照会手続きは保健所経由で保健所が行ってくれるので、こちらが何かをするこはないのですが、教育機関からの照会結果まで1か月~2か月程度かかる場合もあります。
オープン日程等スケジュール管理上、大切なポイントですので注意が必要です。以下も参考にしていただければと思います。
フロント設備
施設には原則としてフロントが必要になります。玄関帳場ともいいます。
フロントカウンターの長さは自治体によっては、決まっていないところもありますが、厳しい自治体だと180㎝確保が要求されます。その他、フロント内部の面積の3㎡確保が要求されたり、常駐者の仮眠用のベットの用意まで求められる自治体もあります。
フロント設置義務の緩和については旅館業法・旅館業法施行令平成29・30年改正のまとめ②フロント設置義務についてを参照していただければと思います。
トイレの数
旅館営業でそれぞれの客室内にトイレがある場合には、便器数についての規制はありません。対して、旅館営業でも客室内にトイレを作らない場合や、簡易宿所の場合には共同トイレが必要になります。
共同トイレは入口部分で男女別になっているもので、その階ごとの収容定員を基準に便器数を算出します。共同トイレ、便器の数については下記を参考にしてください。
洗面所の数
洗面所の数もトイレと同じ考え方です。客室内にあれば、共同のものは不要ですが、客室内に洗面所がない場合や、簡易宿所の場合には共同洗面所が必要になります。
洗面ボウルの数も収容定員をもとに算出します。
浴室
浴室は、東京であればほとんどの自治体で収容定員10人につき1つという実務での基準があります。浴槽までは不要で、シャワーがあればOKな自治体が多いです。旅館営業で客室内に浴槽がある場合は脱衣所は不要ですが、共同浴室の場合は脱衣所は必須になります。
窓
窓面積は2018年の旅館業法改正によって厳密に要求しない自治体も出てきました。あればOKという自治体もあります。ただ、いまだに窓面積を厳密に要求している自治体もありますので、注意が必要です。基準としては、有効客室面積の1/8~1/10の面積が目安になります。窓の拡張には費用もかかりますので、事前に確認な部分となります。
リネン庫
リネン庫も必須設備となります。各階設置の自治体もあれば、あれば良いという自治体もあります。
以上が設備についての大きな要件になります。基本は、うえにあげた設備要件はすべて満たす必要があります。
必要書類
必要書類については民泊許可(旅館業・簡易宿所)申請の必要書類をまとめました。から確認できます。
民泊許可申請の大きな流れと設備要件はこれで把握できたと思います。
大切なことは、必ず自治体と事前協議を行うということ。必要な設備についての基準は本当に自治体ごとに違いますので、その点をしっかりと確認してから動きだすのが良いかと思います。
民泊実務集団TEAM NanatsuBaとは
簡易宿所・旅館業・特区民泊許可取得の為の施設設計・デザイン・施工・各種許可申請を行政書士・建築士をはじめとした専門家チームで行います。行政書士・建築士・不動産会社・工事施工会社等、宿泊業のプロフェッショナルが物件紹介から施工までワンストップでサポートします。詳細はこちらから。
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編集部より:この記事は 民泊実務集団Team NanatsuBa 様の2019/01/31の投稿を転載させていただきました。