「古家付き土地」を民泊用に購入する時に気をつけるポイント〜民泊の教科書
2016/08/04 Airbnb大家の会
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空き家のデータに関して書かれている本や文章には必ずと言っていいほど「820万戸」という数字が出てきます。
これは2014年7月に総務省が公表した全国の空き家の数です。
空き家の数はますます増えていて、老朽化による倒壊や犯罪利用の危険など、空き家対策の必要性が叫ばれています。
そんな中、外国人観光客の急激な増加によって宿泊施設が足りないという事態の対応策として、空き家利用が一石二鳥となると言われています。
今回は、空き家を購入して民泊として利用する場合にどんな点を気をつければ良いかを見ていきたいと思います。
「古家付き土地」とは
自分が住むためや賃貸用に投資として購入する中古住宅と違って、大幅なリフォームをしなければ住めないような状態の建物は「古家」と呼ばれることがあります。
この古家と土地を一緒に売却している物件を「古家付土地」と言います。
古家付き土地のデメリット
まず、古家付き土地のデメリットから見ていきましょう。
古家は人が住める状態ではなかったり、住めるとしても大幅なリフォームが必要になるケースが多いので、建物を解体や造成、リフォームをする費用がかかることになります。
古家の状態が良ければ少額のリフォーム代で済むこともありますので、古家の状態をしっかり見極めることが重要となります。
古家付き土地のメリット
古家付き土地のメリットは、更地の場合よりも購入価格が安くなることが多いという点です。
デメリットでお話しました費用が買主負担になるので購入価格が安くなるのです。
リフォームが安く済む場合は、更地で購入するよりも大きなメリットが出ます。
最近はリフォーム費用も以前と比べてかなりに安くなっていますので、新築で家を建てるよりもリフォームすることでのメリットが大きいというケースも多いと思います。
古家付き土地の注意点
「古家付き土地」はその名前の通り、「土地」として売られているので、建物に関しては何か問題があっても売主の責任にはならないとして契約するケースがほとんどです。
また、昔の家は土地の境界についてあいまいになっているものが多くあります。
こういった「古家付き土地」特有のポイントをチェックして購入を検討する必要があります。
公簿面積と実面積の差
不動産を売買する際、登記簿上の面積を基に売買代金の額を決定する方法を「公簿売買」といいます。
これに対し、実際に土地家屋測量士などに依頼して計測した面積を基に売買代金の額を決定する方法を「実測売買」といいます。
登記簿上の面積を「公簿面積」といい、実際に測量した面積を「実測面積」といいます。
「登記して面積は当然、実測面積と同じでしょ」と思われるかもしれませんが、実際には公簿面積と実測面積が異なる土地はたくさんあります。
昔の測量技術は現在ほど正確ではなかったので、登記簿面積の方が実測面積よりも大きい「縄延び(なわのび)」、その逆で登記簿面積の方が実測面積よりも小さい「縄縮み(なわちぢみ)」が起こるのです。
「測量費用がかかるので、公簿売買にしましょう」と言われる場合もありますが、古い家の場合は測量費用との兼ね合いをみて、実測売買を検討されるのも良いと思います。
下水道の引込費用
「古いといっても、家だったんだから、水道管は通ってるでしょ」と思われると思うのですが、この点にも注意が必要です。
一つは水道管が老朽化していて、道路にある本管から取り換えが必要になる場合があります。
また、水道の場合はもっとも細い配管は13mm程度ですが、水道のカラン数などの関係で、20mmの口径に取り換える必要がある場合もあります。
その場合、距離や場所にもよりますが、50万~80万円程度の費用がかかるのが一般的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
空き家となった古家を民泊施設として利用するビジネスは、空き家問題と宿泊施設不足問題の両方を解決する事が出来る一石二鳥のビジネスですが、古家付き土地を購入する際には気をつけなければいけない点があるという事もご理解頂けたのではないかと思います。
不動産売買は契約内容をきちんと理解せずに契約してしまった場合、後で思いもよらない問題が起こる可能性もあります。
不動産購入の際はプロに相談しながら慎重に進められることをおすすめします。
編集部より:この記事は、民泊の教科書様の2016/3/21の投稿を転載させていただきました。