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西武HD、民泊を意識した新ブランド展開へ〜民泊専門メディア Airstair

2017/05/20 Airbnb大家の会

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宿泊業界大手の西武ホールディングスがホテル事業で新ブランドを展開すると日本経済新聞が報じた。「宿泊」に焦点を当てた新ブランドとして、客単価平均1万円前後で中間所得層に向けた新たなるアプローチを見せる。2019年の開業を予定し、今後10年以内に約100カ所の開業を目指す。

西武ホールディングスは「ザ・プリンス」「グランドプリンスホテル」「プリンスホテル」の3つのブランドを中心に、主に首都圏でシティホテル、リゾート地ではリゾートホテルを展開しているが、新ブランドは3ブランドに続く4つ目のブランドとしてスタートするという。昨今台頭する「民泊」を意識し、比較的なリーズナブルな価格設定で中間所得層の獲得に乗り出すとみられる。

民泊のデータ分析を手がけるエトロエンジン株式会社の「メトロデータ」によると2017年2月時点で日本全国の民泊物件数は、43,000件を突破。ここ最近、民泊の物件数は急増しており1年で2倍以上のペースで伸び続けている。日本全国の中でも特に民泊が集中しているのが東京や大阪で、どちらも物件数は1万件ほどだ。

Airbnbは、昨年1~10月の累計で日本国内でのAirbnb宿泊者数が300万人を超えたことが明らかにしており、物件の増加同様に日本でAirbnbを利用するゲストも増えていることがわかる。

「プリンス」のホテルは、東京では品川駅や浜松町駅などの主要駅近辺にホテルを構えており同一エリアに民泊施設も多い。Airbnbによると2016年には370万人の訪日客がAirbnbを利用して民泊施設に宿泊しているといい、民泊が既存のホテルに影響を与えている可能性について指摘する声もあがっていた。

「民泊」は首都圏、地方都市問わず大人数で安価に利用することができ、その地域の特色に触れることができることから一定の支持を得ており、料金の高騰傾向にあるホテルにとって無視できない存在になっているのだ。

これまで民泊を軽視して強気の価格設定をしてきたいくつかのホテルも、料金の見直しが余儀無くされているようだ。これを受けて西武ホールディングスは、取りこぼしてきた中間所得層の訪日客や若い世代の取り込みに乗り出す。

西武HDが展開する既存の「プリンス」ブランドの平均客単価は1万3000円前後となるが、新ブランドでは1万円前後を設定する予定。ブランド名は未定だが、西武ホールディングスのイメージである「プリンス」を冠し、ブランドイメージの維持を同時に狙うという。

いわゆる「おもてなし」は日本のお家芸である一方で、多種多様なニーズが混在する現代ではあえてサービスを絞ることも新たなる価値を生み出す手段と言ってもいいだろう。今回の西武ホールディングスにとっては、まさに宿泊に「絞る」ことで生まれる新事業と言える。今後もしばらく宿泊業界の動向に目が離せない。

 

編集部より:この記事は、民泊専門メディア Airstair 様の2017/3/31の投稿を転載させていただきました。

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