【後編】「新法施行後の民泊+マンスリーハイブリッド戦略」メトロレジデンス・Lester Kang氏〜MINPAKU.Biz
2018/01/26 Airbnb大家の会
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サービスアパートメントの魅力とは?
Q:民泊よりもサービスアパートメントのほうが魅力的だと言えるポイントは?
物件オーナーにとっては、より長期の継続的な貸し出しができる点が魅力です。企業向けの場合は最大でも1年につき4~5回しかゲストの入れ替わりがありません。2つ目は、アパートへのダメージもより少なくなるという点です。そして3つ目は、やはりサービスアパートメントとして貸し出すことでより多くの収益を生み出せるという点でしょう。通常の賃貸と比較しても最大2倍の収益を上げることができます。
また、プラットフォーマ―である私たちが物件をマネジメントするので、物件のオーナーは何もする必要がありません。民泊ではゲスト対応などを毎日のようにやる必要があり大変ですが、サービスアパートメントの場合はもっとシンプルなのです。
Q:サービスアパートメントにはどのような物件が適しているか?
典型的な物件は、都心部の駅近にある25㎡程度の部屋です。また、新築かリノベーションかに関わらず、サービスアパートメントは常に高品質でとてもよい状況に保たれていなければいけません。
民泊の場合はグループで宿泊できるような2LDK~4LDKの物件が人気だと思いますが、サービスアパートメントではゲストは1人か2人が多いため、1ベッドルームか2ベッドルームの物件がとても人気です。管理組合の問題をクリアすれば、分譲マンションの1室を貸し出していただくことも可能です。
Q:サービスアパートメントを成功させるうえで最も大事な要素は?
一番大事なのは場所です。次は、家具類の品質です。そして三つ目はクリーニングや清掃といったプロフェッショナルな管理です。品質はとても重要で、掲載物件については独自の基準を持っています。私は東京で数多くのAirbnbスーパーホストにお会いして100件以上の物件を見ましたが、基準を満たしているのは2件だけでした。例えば民泊物件のなかにはテレビがない物件やポケットwifiしかない物件がありますが、ビジネス出張の場合は高速インターネットが求められますので、ポケットwifiだけでは十分ではありません。また、清掃も高品質である必要があります。清掃は週に1度ないし2度行っています。
今後の市場見通しと事業展開
Q:日本のサービスアパートメント市場は伸びているか?
はい。大きく二つの動きから市場の伸びが見てとれます。まず一つ目として、最近ではAscottをはじめとして従来のサービスアパートメント企業の多くが成長しており、次々と新しいアパートメントをオープンしています。最近はシェアオフィスとサービスアパートメントが一緒になったタイプなども出てきています。また、もう一つの動きとしては、マンスリーマンション企業も高級マンスリーマンションの提供を始めています。
Q:将来は競争が激しくなることも予想されるが、その中での立ち位置は?
日本のマンスリーマンション市場は既にかなり成熟している市場だと思います。ただし、ビジネス出張者の多くはより高品質なマンスリーマンションを求めていますので、私たちはその領域に焦点を絞り、マンスリーマンションに対するイメージを向上したいと思っています。
そして二つ目は、手続きの簡素化です。私も東京に来てマンスリーマンションを契約しようとしたのですが、様々な手続きに10日以上もかかり、とても大変でした。Airbnbであればオンラインで予約するだけなのに、現状の仕組みではとても遅すぎます。
私たちはこの状況に対してただ黙っているのではなく、より手続きを簡単で素早くできるように変えていこうと考えています。メトロレジデンスでは業界初となるライブカレンダー機能を搭載しています。そのため、あなたはどのアパートメントが入居可能なのか、わざわざ電話しなくても確認することができます。さらに、私たちは全ての手続きがオンラインで完結できるよう、リアルタイム決済やリアルタイム予約についても搭載しようと考えています。
また、通常のマンスリーマンションとは違い、サービスアパートメントにはその名の通りクリーニングやコンシェルジュといった「サービス」が含まれています。想像してみてください。ビジネス出張で来ているあなたはとても忙しく、洗濯や家事をする時間がありません。サービスアパートメントでは、週に1度のクリーニングサービスが受けられ、新しいシーツとタオルが提供されます。それはとても快適な体験です。マンスリーマンションにはないこのホテルのようなサービスが大きな違いだと思います。
Q:楽天LIFULL STAYとはどのように協働する予定か?
楽天の戦略マトリクス全体のなかで、メトロレジデンスとしてはインバウンド領域のマンスリーに注力する予定です。海外から日本にやってきて数か月程度滞在するビジネス出張者です。私たちは英語、中国語、スペイン語など多言語で対応可能なので、物件オーナーは私たちを通じて長期の予約をとることができます。
楽天LIFULL STAYは主にバケーションレンタルの領域を、私たちは主にビジネス出張者の領域を担当するというイメージです。現在はオフィスも同じなので、毎日情報を共有しながら密に連携しています。
Q:将来的に国内のビジネス出張者向け領域を狙う予定は?
私たちとしては、国内であれ海外からであれ、ビジネス出張者は同様にターゲットになると考えています。例えば北海道から東京へ出張に来るビジネスマンもそうですし、企業がインターンシッププログラムで学生を東京に召集する際の宿泊なども考えられるでしょう。
現状は日本のサービスアパートメントユーザーのほとんどが外国からの出張者ですが、将来的にはどうなるか分かりません。既に多くの人々が高級マンスリーマンションを使用し始めていますので、それらの層が今後、さらなるサービスを期待してサービスアパートメントへとシフトしていく可能性もあると考えています。
Q:国内での目標は?
2020年までに、東京のサービスアパートメント市場で10%のシェアを獲得することを目指しています。これは、約1,000アパートが稼働している状況ですね。
Q:具体的な注力エリアは?
年内は東京だけに集中しようと考えており、特に優先順位が高いのは港区、渋谷、新宿、品川、銀座です。また、まだ決めてはいませんが、数多くの工場があって東京から管理もできる横浜が面白いという意見もあります。
物件オーナーの方に対するメッセージ
Q:物件オーナーに対するメッセージをお願いします。
東京都心部でミドルからハイエンドのアパートメントを持っている方がいれば、ぜひ私たちにコンタクトをしていただきたいです。駅近の物件で1ベッドルーム、2ベッドルームなどはベストです。私たちのサプライヤーチームが、物件の掲載から、家具の購入・セッティング、写真の撮影、日々の物件の管理までを支援させていただきます。物件をセットアップするまでは3週間ほどで終わります。
また、立地など一定の条件を満たした限られた物件については6ヶ月間のレンタル保証をつけることもあります。物件オーナーの方はリスクなくサービスアパートメント運営をはじめることができます。ぜひサプライヤーチームにご連絡ください。
左:メトロレジデンス新規事業企画室 原 アルトゥ―ロ 健太郎 氏/ 右:メトロレジデンス CEO Lester Kang 氏
インタビュー後記
メトロレジデンスのCEO、Lester Kang氏からは民泊新法後の運用手法として注目が集まっている民泊とマンスリーのハイブリッドによる物件運用の具体的な話を聞くことができました。物件によっては民泊ではなくマンスリーやハイブリッドで運用したほうがよりローコストオペレーションで高収益を期待できる可能性もあり、インバウンド不動産投資の新たな選択肢としてサービスアパートメントが持つ魅力を強く感じました。
Lester氏によると、メトロレジデンスの本拠地であるシンガポールのチャンギ空港周辺では既にグローバル企業で働くビジネスマンの需要によりサービスアパートメントの稼働率が逼迫状態にあるとのこと。今後は東京でも同様の状態が起こることが見込まれます。都心部で物件をお持ちの方は、ぜひメトロレジデンスへの掲載を検討してみてはいかがでしょうか。
メトロレジデンスの概要
メトロレジデンスへの物件掲載に興味をお持ちの方へ
物件掲載のお申し込みは下記ページより可能です。物件をお持ちの方はぜひご活用ください。
(MINPAKU.Biz 編集部)
編集部より:この記事は、MINPAKU.Biz 様の2017/8/15の投稿を転載させていただきました。