スペースマーケットCEO重松氏インタビュー 民泊新法後”185日”に「スペース貸し」という選択肢〜民泊専門メディア Airstair
2017/11/24 Airbnb大家の会
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一定のルールのもとに全国的に民泊を解禁する住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)が来年6月をめどに施行される。ホテルなどの運営ができなかった住宅地でも営業ができるようになる一方で、年間の営業日数は180日で残り185日の活用方法が大きな課題となっていた。
そこで今回は、「スペースマーケット」(https://spacemarket.com/)を運営する株式会社スペースマーケットの代表重松氏と貝塚氏に話を聞いた。
目次
1 住宅が時間貸しスペースとして利用されるケースが増加
2 民泊+時間貸しの2Wayは実現できるのか?
3 スペースマーケットで人気のスペースとは?
4 スペースマーケットは忘年会時期が繁忙期
5 利用者退出後の清掃は意外と手間がかからない?
6 民泊とスペース貸しの相性は意外と高い
住宅が時間貸しスペースとして利用されるケースが増加
スペースマーケットとは、球場からお寺までユニークなスペースを簡単にネットで1時間単位から貸し借り出来るマーケットプレイス。スペースシェアリングのプラットフォーム事業は2014年にスタートし、「現在の取り扱いスペースは約12000件、実際にスペースが利用される件数は月間数千件を超える」という。マンションの一室や会議室が掲載されているほか、お寺、結婚式場、古民家といったユニークなスペースを取り揃えており、パーティーや撮影、会議など様々な用途で利用されている。
スペースマーケットではマンションの一室や一軒家が時間貸しのレンタルスペースとしてすでに貸し出されており全体の約2割を住宅が占めるまでに成長。仲の良い友達同士でのホームパーティーやおうちデートなどで利用されるなど、その利用用途は様々だ。
民泊新法では、住宅地でも営業ができるようになる一方で1年間のうち180日までしか運営ができず残りの185日をどのように活用するのかがキモになる。「時間貸しのレンタルスペースは民泊の有効な活用方法として注目を集める」とみているようだ。
民泊+時間貸しの2Wayは実現できるのか?
民泊新法後に民泊として営業しているスペースの185日をスペース貸しで提供するときに気になるのがオペレーション上実際に運営することができるのか気になるところではないだろうか?
スペースマーケットで貸し出されているスペースで人気の高いものは「内装がおしゃれでキッチンがあり、料理が作れるようにテーブルや食器類が準備されている部屋」だという。
民泊は内装やインテリアに力を入れていることが多く、またゲストが料理を作れるように食器類やテーブルを用意している部屋が一般的なため、スペースマーケットで貸し出すにあたり追加で準備するものは特にない。「民泊として提供している部屋をそのままスペースマーケットに掲載するだけで人気の高いスペースになりうる」という。
スペースマーケットで人気のスペースとは?
民泊では都内では新宿区や渋谷区、大阪府では中央区や浪速区が民泊の激戦区となっているが、スペースマーケットでは、そのスペースで過ごす時間自体を目的としているため、特定のエリアに限定されない傾向がある。新宿や渋谷以外のエリアでアクセスがそこまでよくない場合でも「魅力的なスペースであれば人気が出る」ようだ。
スペースマーケットは忘年会時期が繁忙期
これまで友人や同僚と食事に行く場合、レストランや居酒屋を予約して集まるのが一般的だったが最近ではスペースマーケットのようなスペース貸しサービスを活用して集まる人も多くなっているという。
スペース貸しの場合、従来の居酒屋やレストランでの食事に比べてリーズナブルに済むだけではなく、より長く滞在できるなどのメリットが多いためだ。
「特に忘年会時期は、朝昼晩の3回貸し出しをしても予約でいっぱいになるスペースもある」というほど売上が見込めるとも。特に人気があるパーティー需要の場合は19時~23時の時間帯に集中するようだ。
1組当たりの利用時間では、友人・知人同士のホームパーティー利用の場合は1組あたり3~4時間程度となるが、企業の合宿で利用される場合は「朝から夜まで、丸一日の利用者も多い」と語る。
利用者退出後の清掃は意外と手間がかからない?
民泊の場合、ゲストのチェックアウト後に清掃が入り、次のゲストがチェックインするまでにベッドメイキングやゴミ捨て、水回りの清掃を行う。一方でスペースマーケットの場合は「バスルームやベッドなどは利用されないことから清掃の手間は非常に軽く済む」という。
ゴミの処理は必要になるが、利用者に指定の場所や方法へのゴミ処理をお願いすることもできる。
民泊とスペース貸しの相性は意外と高い
上述したように、民泊とスペース貸しは利用者ニーズでの共通点も多く民泊の部屋をそのままスペース貸しとして活用することもできる。民泊新法施行後は、180日を民泊で利用し残りの185日はスペース貸しとして活用するという方法も選択肢の一つとしては有効的な方法だと言えるだろう。
一部報道で民泊は2~3時間といった短時間の時間貸しを禁止する方向との報道も出たが、これは、そもそも風営法の問題を背景とした動きであるため、寝具を提供せずに通常のレンタルスペースとしての営業であれば問題はなく、民泊とスペース貸しの2Way拡大に意欲を見せた。
2017年9月には民泊を含む宿泊施設の提供者と利用者を繋ぐ新しいプラットフォーム「スペースマーケットSTAY」の本格運用スタートを発表しており、民泊ホスト向けのミートアップを増やすなどスペースマーケットは民泊新法の施行に向けて本格的に動き出す。