空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設〜民泊の教科書
2016/07/23 Airbnb大家の会
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平成28年の税制改正で「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されることになりました。
民泊用の物件としても期待されている「空き家」ですが、親から相続した家をそのまま置いているというケースがかなりの数あります。
更地にするよりも空き家のままの方が費用がかからない点や売却すること事態が面倒だ等、放置されている理由はさまざます。
そういった増え続ける空き家を減らすために『空き家対策特別措置法』など、政府も対策に乗り出しています。
今回の特例創設もその一環にあたります。
それでは、どういった特例なのかを見ていきましょう。
空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例とは
空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例とは、以下のように記されています。
3000万円の控除
一定の条件で相続した家屋を売却した場合に、譲渡所得から3000万円の特別控除を適用されます。
つまり売却して3000万円までは譲渡所得税がかからなといことになります。
自分が住んでいる家を売却した際にも、これと同じような特例が利用できます。
今回はマイホーム以外に空き家の売却でも利用できるように同じような特例を創設したのです。
特例適用条件
この特例を適用するには、いくつかの条件が設定されています。
その条件を以下に見ていきたいと思います。
相続によって取得した家屋
条件として「相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋」とされています。
空き家になっているものの約半数が相続によって取得されたものだと言われています。
この「相続によって取得された家屋」が空き家にならないように、今回対策をされたのだと思います。
ですから、この特例を適用出来るのは「相続によって取得された家屋」になります。
投資用に購入した家が空き家になっているようなケースは適用されません。
被相続人居住家屋
条件として「当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものに限る。」とされています。
これは亡くなられる直前において、亡くなられた方だけがその家屋に住んでいた、つまり亡くなられた方が1人で住んでいた家という意味で、これを「被相続人居住家屋」と言います。
夫婦で住んでいて、配偶者が亡くなって相続したような家屋は、この特例は適用されません。
昭和56 年5月31日以前に建築された一軒家
昭和56年6月1日に新耐震基準が施行されました。
この日以降に建築確認を受けた建物に対して新耐震基準が適用されています。
ですから昭和56年5月31日以前に建築された一軒家というのは、旧耐震基準の一軒家となります。
新耐震基準の建物は適用されないということになります。
旧耐震基準の家屋は地震などで倒壊の恐れがあるので、そういった空き家を増やさないように今回の特例の条件とされているのだと思います。
また、マンションなどの共同住宅は特例の適用対象外となります。
ずっと空き家であること
亡くなられて家屋を相続してから売却するまでに、事務所として使用したり、賃貸をしていたりした場合はこの特定は適用されません。
亡くなられて家屋を相続してから売却するまで空き家のままだったことが条件となります。
相続した時期と売却時期
「売却期間は2016年4月1日から2019年12月末までの間で、相続開始の日から3年を経過する日が含まれる年の年末までに売却すること」とされています。
これは2013年1月2日以降に相続した空き地が対象になるということです。
ですから、2012年に相続した家屋がずっと空き家になっていても、今回の特例は適用されません。
また2013年1月2日から12月31日までに相続した空き家であれば「相続開始の日から3年を経過する日が含まれる年の年末までに売却」とされていますから、特例を適用するには2016年の年末までに売却をしなければいけません。
売却価格
売却価格は1億円以下であることが条件となります。
行政機関からの証明書
「確定申告書に、地方公共団体の長等の当該被相続人居住用家屋及び当該被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等が要件を満たすことの確認をした旨を証する書類その他の書類の添付がある場合に適用するものとする。」とされています。
つまり、上記の特例を適用出来る条件をすべて満たしているという行政からの証明書を取らなければ、特例は適用されません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
適用出来るのが旧耐震基準の一軒家ですから、築35年以上の家屋となり、それ以外にも相続時期など、いろいろな条件があるので、適用できる物件も限られるのではないかと思います。
ただ、こういった特例が後押しをして空き家売却を検討される方も当然いらっしゃると思います。
そういった物件を民泊用に利用できるのであれば、売主買主双方にメリットがあるという事になる場合もあると思います。
編集部より:この記事は、民泊の教科書様の2016/2/19の投稿を転載させていただきました。